【3月8日 AFP】国際原子力機関(IAEA)は7日、ロシア軍に包囲されているウクライナ第2の都市ハリコフ(Kharkiv)の原子力研究施設が砲撃され、損傷したと発表した。ただ、放射線量の上昇は見られないとしている。

 IAEAがウクライナ当局から報告を受けたもので、施設内の放射性物質の在庫はごくわずかで、未臨界の状態で保管されていたという。

 IAEAは「報告された損傷が放射線量に影響を及ぼすことはない」と判断した。

 砲撃があったのは6日で、現場は放射性物質を使った医療機器や工業製品を開発するハリコフ物理技術研究所(Kharkiv Institute of Physics and Technology)の一部施設。

 同研究所をめぐっては、放射性物質を拡散させる「汚い爆弾」が開発されているとの陰謀論がインターネット上に流れたり、ロシアメディアが根拠なく報じたりしていた。

 ロシア軍による攻撃で、首都キエフやハリコフ近郊の放射性廃棄物処理施設も損傷したと伝えられている。ロシア軍は先に、ザポロジエ(Zaporizhzhia)原子力発電所を攻撃し、制圧している。(c)AFP