自由は二の次? コロナで変わる欧州の民主主義国
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■最も厳しいフランスと東欧
こうした不満をうまく利用しているのが、極右・極左政党だ。
ドイツでは、企業寄りの自由民主党(Free Democrats)が厳格なロックダウンに反対し続けた結果、9月の総選挙で得票数を大きく伸ばした。
4月に大統領選を控えるフランスでは、極右候補のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏とエリック・ゼムール(Eric Zemmour)氏が、マクロン大統領の提案するワクチンパスに真っ向から反対している。
欧州はおおむね、公衆衛生を守る必要性と市民的自由の擁護とのバランスを取りながら、社会的に大混乱が起きる事態は免れてきた。
フランスの政治学者ラウル・マーニベルトン(Raul Magni-Berton)氏は、欧州の約40か国で課されたコロナ関連の制限を精査し、フランスと東欧諸国が最も厳しい措置を取っていると指摘した。
この調査によると、個人の自由を最大限尊重しているのは、英国やスイスなど最古参の民主主義国だ。また、制限が比較的緩やかな国は、オランダのような連立政権の国、あるいはドイツのように中央政府と地方政府が権限を分担している国とされた。(c)AFP/Julien DURY