【11月15日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)が、首都ワシントンにある高級ホテルのリース権を3億7500万ドル(約430億円)で投資ファンドCGIマーチャント・グループ(CGI Merchant Group)に売却することで合意した。ホテル名からトランプの名称は消える予定だ。米メディアが14日、報じた。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、フロリダ州マイアミを拠点とするCGIマーチャントは、米ホテルチェーン大手のヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(Hilton Worldwide Holdings)と別途契約を締結し、ホテルの名称をヒルトンのブランド「ウォルドーフ・アストリア(Waldorf Astoria)」に変更する。

「トランプ・インターナショナル・ホテル(Trump International Hotel)」はホワイトハウス(White House)に程近く、連邦議会議事堂からペンシルベニア通り(Pennsylvania Avenue)を下った所にある。

 建物は19世紀後半にワシントンの中央郵便局として建設されたもので、国家歴史登録財(National Register of Historic Places)にも指定され、米政府が所有する。2013年にトランプ氏の不動産会社と60年リース(延長40年)の契約を締結した。

 トランプ・オーガニゼーションが約2億ドル(約230億円)を投じてホテルに改装したが、米下院監視・政府改革委員会(House Committee on Oversight and Reform)の報告書によると、ホテルの運営企業は2016年の開業時から20年8月までに7100万ドル(約80億円)を超える損失を計上。黒字経営には一度もならなかった。(c)AFP