【8月30日 AFP】(更新)アフガニスタン首都カブールで30日朝、空港に向けて複数のロケット弾が発射された。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。さらなる攻撃が懸念される中、米国は軍部隊の同国撤退と、アフガニスタン人協力者らの退避を急いでいる。

 ホワイトハウス(White House)は空港に向けてロケット弾攻撃があったと認める一方、期限が31日に迫る撤退・退避作戦は「中断されなかった」と発表した。声明で「大統領は(中略)努力を倍加し、全力を尽くして地上部隊の保護を優先するという司令官への命令を再確認した」と述べた。

 ISのアフガン分派「イスラム国ホラサン州(IS-Khorasan)」は、カブール国際空港(Kabul International Airport)をロケット弾6発で攻撃したと発表。イスラム主義組織タリバン(Taliban)の現地関係者によると、発射されたロケット弾はいずれも空港のミサイル防衛システムによって迎撃された。

 ロケット弾攻撃による死傷者や空港への被害は報告されていないが、長年の紛争ですでにトラウマ(心的外傷)を負っている地元市民にさらなる不安を抱かせた。

 ロケット攻撃より前、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領はさらなる攻撃が実施される可能性が非常に高いと警告。米軍は29日夜、カブールでIS系組織が用意した自動車爆弾を空爆した。

 AFPカメラマンは30日、空港から約2キロ離れた場所で、後部座席にロケット発射装置が残る車両の残骸を確認した。(c)AFP/David FOX