【5月13日 AFP】ヒンズー教の著名宗派BAPSが、米ニュージャージー州ロビンズビル(Robbinsville)にある同国最大のヒンズー寺院の建設作業に、インドでカースト最下層のダリット(Dalit)の人々を勧誘し、時給1.2ドル(約130円)で働かせていたとして訴えられている。

 11日に提起された集団訴訟によると、BAPSはシュリ・スワミナラヤン寺院(BAPS Shri Swaminarayan Mandir)の建設事業をめぐり、約200人のダリットの男性を数年間にわたって搾取したとされる。

 BAPSは、ヒンズー至上主義のインド与党、インド人民党(BJP)に近く、世界各地に寺院を建てている。

 ダリットの男性らの在留資格は、宗教活動のための一時入国を認めるR-1ビザ(査証)だったが、専ら寺院の建設作業に従事させられたという。

 現在はインド・ラジャスタン(Rajasthan)州の自宅に戻っている原告6人は、月給450ドル(約5万円)で週87時間を超える労働を強制され、休日は年に数日だけで、時給換算ではたったの約1.2ドルしか受け取っていないと主張。BAPSの行為は人身売買に相当すると訴えている。

 訴状によると、ダリットの男性らはニューヨークのケネディ国際空港(JFK Airport)に着くやいなやBAPS関係者にパスポート(旅券)を取り上げられ、出国できない状態で働かされた。

 現地ではフェンスで囲まれた敷地内に閉じ込められ、警備員と監視カメラに見張られた生活を強制された。BAPS関係者の同行なしに敷地の外に出ることは許されず、寺院を訪れる人たちとも会話してはならないと指示されていたという。

 原告6人は、2018年から昨年末までシュリ・スワミナラヤン寺院で働かされていたとして、損害賠償を求めている。(c)AFP