【5月3日 AFP】リトアニアで帝政ロシアやナチス・ドイツ(Nazi)の時代に使われていた旧刑務所が、再開発利用を目指して投資家を募っている。近年では、この施設は動画配信大手ネットフリックス(Netflix)の撮影セットやコンサート会場としても使われている。

 1902年に建てられたルキシュケス(Lukiskes)刑務所は、第2次世界大戦(World War II)中は、ナチスの秘密警察ゲシュタポ(Gestapo)が首都ビリニュスのゲットー(強制隔離居住区)からユダヤ人を強制収容するために使用した。帝政ロシアと旧ソビエト連邦時代には政治犯が収監されていた。

 2019年に閉鎖されてからは、ネットフリックスのドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界(Stranger Things)」第4シーズンの撮影に使われた。

 施設内には、正教会の教会堂、事務所、看守用だったアパートなどがある。

 国営の不動産銀行の担当者は、「可能な限り最高のソリューションを探して活気ある場所を生み出し、わが国の遺産に意味を持たせ、社会のニーズに応じて開発していきたい」と述べており、当局は、コワーキングスペース、博物館、工房、娯楽施設、ホテルなどにも転用できると提案している。

 現在は「8デイズ・ア・ウイーク(8 Days a Week)」という音楽事務所が借り、イベント会場やコワーキングスペースとして利用する企画を進めている。(c)AFP