【3月24日 AFP】中国とロシアは23日、両国が新型コロナウイルスワクチンを利用して世界各地で影響力を行使しようとしているとの非難を一蹴した。

 中国を訪れているロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相は、南部の桂林(Guilin)で王毅(Wang Yi)外相と会談。その後の記者会見で、両国は地政学上の利益よりも「人道」の原則を追求していると主張した。

 ロシア外務省が公開した文書の中でラブロフ氏は、「ロシアと中国は開放性と協力、共助の模範となってきた」との見方を示した。

 その上で新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)への対応では、「地政学的な思惑や商業的アプローチ」ではなく、「人道と救命目的」を尊重することが重要だとコメント。

「ロシアと中国が『ワクチン外交』なる分野における便乗者でもあるかのように見せようとしている、欧米のパートナー諸国を含む皆が、このことをしっかり覚えておくべきだ」「現実とは完全に乖離(かいり)しているのだから」とラブロフ氏は述べた。

 また王外相も、中国が「ワクチン外交のようなものの展開を計画している」とする見方は間違っていると指摘し、一部の国が「利己的に大量のワクチンを買いだめしている」と非難。

「わが国の意図は当初から、できるだけ早期により多くの人にワクチンを接種してもらうということにある」と説明し、「中国とロシアが選ぶのは、自分たちだけを利することではなく、全世界を助けることだ」と語った。(c)AFP