【3月15日 AFP】自転車ロードレース、パリ~ニース(Paris-Nice 2021)は14日、最終第8ステージ(ルプランデュバールからルバン、93キロメートル)が行われ、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)は2020年のツール・ド・フランス(2020 Tour de France)と同様に最終盤で悪夢の失速を喫し、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のマキシミリアン・シャフマン(Maximilian Schachmann、ドイツ)が総合優勝を果たした。

 ログリッチは昨年のツールで、第20ステージの個人タイムトライアルでUTE(UAE TEAM EMIRATES)の同胞タデイ・ポガチャル(Tadej Pogacar)に一気にタイム差を逆転され、総合優勝も逃した。そしてこの日も2回の落車トラブルに見舞われ、大会は昨年チャンピオンのシャフマンが逆転での連覇を果たす結果に終わった。

 1回目の落車で肩を脱臼したログリッチは「これで世界が終わるわけじゃない」とコメントした。

「レースとはこういうものだ。他にあまり付け加えることはない。もちろん、みんながっかりしているが、言ったようにこれで世界が止まるわけじゃないし、自分たちも前へ進んで行く」

 優勝したシャフマンもレース後には喜びきれない様子で、「こういう勝ち方は良いものじゃないし、気持ちとしては複雑だ」と話した。

「突然、イエロージャージーを着てここに立つことになったが、何を思うべきか、喜んでいいものかも分からない」

 最終ステージはEFエデュケーション・NIPPO(EF Education - Nippo)のマグナス・コルトニールセン(Magnus Cort Nielsen、デンマーク)が優勝したが、大きな話題になったのはログリッチの敗戦の方だった。

 ここまでステージ3勝を挙げ、2位のシャフマンに52秒差と十分なタイム差をつけて最終ステージに臨んだログリッチは、1度目の落車では左腰に痛々しい擦り傷を負いながらも集団に復帰した。

 ところが、坂を下ったところで再び落車し、チェーンをかけ直すのに手間取った。最初の落車でログリッチを集団に戻す際に力を使い果たしたチームメートもサポートしきれず、そのまま仲間からも引き離されていったログリッチは最終的に総合10位以内に入ることもできなかった。(c)AFP