■コロナ禍で、自然が救いに

 アイルランドは現在、3度目のロックダウンに入っている。コロナ禍の第1波と第2波は、感染者数も死者数も比較的少なかったが、昨年のクリスマス前に規制を緩和してから状況が悪化。1月上旬、アイルランドの人口当たりの感染率は世界最高を記録した。

 コロナ感染による累計死者数は4000人を超え、45%を今年に入ってからの死者が占める。ミホル・マーティン(Micheal Martin)首相は、この事態を「感染の津波」と称した。

 年明け以降、生活必需品を扱わない小売店やパブ、飲食店、スポーツジム、映画館はすべて営業中止となり、市民は限られた場所での日課の運動以外は自宅から出ないよう指示されている。

 しかし、マクパートリンさんはロックダウンには意外なプラス面があったと指摘する。人々が以前よりも長時間、田舎を散策するようになった結果、傷ついた動物や捨てられた動物が発見・保護される件数が大幅に増加しているというのだ。

「自然のおかげで、感染拡大の最中に救われた人たちはたくさんいるはず」とマクパートリンさん。「こうした人々は全体として野生動物についての認識を深め、彼らがそこに存在していること、そして私たちと共存していることを知っている」と語った。(c)Joe STENSON