【2月2日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市の関係者は1日、新サーキットを建設して同国でのフォーミュラワン(F1、F1世界選手権)GP開催権をサンパウロ(Sao Paulo)市から奪取する計画を断念すると明らかにした。

 ブラジル第2の都市であるリオは、ビーチをはじめ夜の歓楽街や美しい景観を活用し、国の経済中心地であるサンパウロからモータースポーツ最高峰のレースをもぎ取ることを目指していたが、カンボアタ(Camboata)森林でのサーキット建設計画は環境保護団体の反発を引き起こしていた。

 計画はジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領やリオのマルセロ・クリベラ(Marcelo Crivella)前市長が後押ししていたが、環境への悪影響を指摘する一連の報告を受けすでに遅れが生じていた中で、先月1日に就任したエドゥアルド・パエス(Eduardo Paes)新市長は、早急に取りやめを決めた。

 同市は、「緑の破壊ではなく、再生について話し合う必要がある」とし、市の環境保護局に対してサーキット建設のプロセスを見送るように指示したと明らかにした。

 F1を開催したのは1989年が最後となっているリオは、この決定によって誘致計画が事実上消滅。市の関係者はAFPの取材に対して、「このプロセスは市が主導していたもので、われわれはこれ以上は前に進めない方針であることを正式にお知らせする」と述べた。

 F1側は昨年すでに、サンパウロのインテルラゴス・サーキット(Interlagos Circuit)で2025年までレースを継続開催する契約にサインしていた。1972年に同サーキットで初開催されたブラジルでのGPは、1978年と1981年から1989年までリオで行われた後、再び開催地がサンパウロに戻っていた。(c)AFP