【12月23日 AFP】カナダに避難していたパキスタンの人権活動家、カリマ・メヘラブ(Karima Mehrab)さん(37)が、オンタリオ(Ontario)州トロントで遺体で発見されたと警察が22日に発表した。

 カナダ公共放送CBCによると、カリマ・バローチ(Karima Baloch)としても知られるメヘラブさんは2015年、パキスタン政府にテロ行為の罪に問われ、カナダに逃れた。

 遺体が発見される前日の20日、トロント警察はメヘラブさんがオンタリオ湖(Lake Ontario)付近で行方不明になったとの届け出を受けていた。

 トロント警察は、「不審な点はないとみられ、犯罪がらみではない死亡案件として現在調査中」と発表した。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)はメヘラブさんの死を「ひどくショッキング」な出来事と呼び、警察に徹底した調査を求めた。

 メヘラブさんはパキスタンで人権擁護活動に取り組み、分離独立派の襲撃に揺れる同国南西部バルチスタン(Baluchistan)州の自治を求めて運動していた。

 今年5月には、スウェーデンで亡命生活を送っていたバルチスタン州出身のジャーナリスト、サジド・フセイン(Sajid Hussain)さんの遺体がウプサラ(Uppsala)付近の川で発見された。

 フセインさんは2017年にスウェーデンに亡命するまで、パキスタンの麻薬密売や強制失踪、長期間にわたる反政府活動について発信していた。

 警察は、検視を行ったが、フセインさんの死が犯罪、事故、自殺のいずれによるものなのかを判断するのは難しいと述べた。(c)AFP