【9月9日 AFP】フランス通信(AFP)は8日、米IT大手グーグル(Google)との著作権使用料での対立をめぐり、仏規制当局に苦情を申し立てたと発表した。AFP側は、グーグルがAFPのコンテンツを検索結果に表示させた際の支払いについて、前向きな交渉を拒んでいると訴えている。

 グーグルは先に、欧州連合(EU)が出したデジタルコンテンツの著作権に関する新指令の順守を拒否。仏競争規制当局は今年4月、グーグルに対し、報道機関との「誠実な」交渉を命じていた。

 ウェブサイトや検索エンジン、ソーシャルメディア上に報道機関のコンテンツが掲載された際、報道機関に使用料が支払われるよう、いわゆる「著作隣接権」が規定されている。

 報道各社は、数か月にわたって協議が行われたものの、グーグルが譲歩を拒否していることから、仏新聞社協会のAPIGや雑誌社などが苦情を申し立てることにつながったとしている。

 AFPのファブリス・フリース(Fabrice Fries)会長は「グーグルが誠実に交渉していないとみなし、わが社も競争規制当局に苦情を申し立てた」と表明。

「グーグルからは協議の延長提案があったが、行き詰まっていたため拒否した。手段の変更がない限り、前進はないと判断した」と説明した。

 競争委員会のイザベル・ドシルバ(Isabelle de Silva)委員長は、ここ数週間で当事者の一部から提案があったように、交渉の仲介役を指名するのも一つの選択肢となり得ると述べた。

 だが、現時点で同委は、交渉の妥当性をめぐりグーグル側が申し立てた異議について、パリの控訴院の判断を待っている。ドシルバ委員長は、10日に審理が予定されており、今月中にも判断が出る可能性があるとしている。(c)AFP