【7月30日 AFP】東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)の武藤敏郎(Toshiro Muto)事務総長が、新型コロナウイルスの影響で来年に延期になった東京五輪について、感染拡大を防ぐため「観客数を制限」して開催する可能性を示した。

 新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって歴史的な延期が決まった東京五輪は、来年7月23日に開幕する予定となっている。

 武藤事務総長は英BBCに対し、主催者は2021年の開催に全力を注いでおり、中止やこれ以上の延期については一切協議していないと話した。

「全員が来年の開催に集中すべきだ。われわれは共通の認識を持っている」

 武藤事務総長はまた、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は無観客の五輪を「望んでいない」が、観客数を減らして開催する可能性は認めていると述べた。

「バッハ会長は、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)を十分に考慮し、観客数を制限することを考えているかもしれない」

「われわれは人々が安全だと感じる環境をつくらねばならない。アスリートとIOCメンバーは、日本入国の前後に検査を受ける必要があるかもしれない」と述べた武藤事務総長は、「宿泊や移動の計画においても、しっかりとした医療体制」が求められると続けた。

 感染拡大を抑えるため、日本は現在100か国以上からの入国を禁じているが、武藤事務総長は「すべての制限がなくなると想定するのは楽観的すぎるため、他の手段を考えねばならない」と話した。

 実証された治療法やワクチンなしに五輪を開催することは不可能だと示唆する医療専門家もいるが、武藤事務総長は、ワクチンは「助けにはなるが、必須の条件ではない」とコメント。

 これについてはIOCのジョン・コーツ(John Coates)調整委員長も、主催者は「ワクチンがないという前提で前に進んでいる」と明かすなど、前向きな見解を示している。(c)AFP