■「調和と兄弟愛」

 活動家はここ数週間、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)にメディアの注目が集まったことで、警察がこの騒動に関連する取り締まりを強化していると指摘している。これまでに逮捕された人の大半がイスラム教徒で、うち一部は反テロ法違反によるものだ。

 元マイノリティー問題相のラフマン・カーン(Rahman Khan)氏はAFPに対し、「当局はパンデミックの収束後、コミュニティーに対して確実に誰も声を上げないよう画策している」と述べた。

 モディ氏は「調和と兄弟愛」を呼びかけ、緊張の緩和を模索する姿勢を明らかにしている。同氏はツイッター(Twitter)に「新型ウイルスは襲う前に人種、宗教、肌の色、カースト、信条、言語あるいは国境を見極めているわけではない」と投稿した。

 しかし、イスラム嫌悪と闘う市民団体「進歩と改革のためのインディアン・ムスリム(IMPAR)」のシャーヒド・シディッキ(Shahid Siddiqui)氏は、国が憎しみをかきたてることに関与していると述べている。

 新型ウイルスによって、イスラム教徒は新たな「不可触民」にされようとしているとシディッキ氏は語る。不可触民とは、ヒンズー教に基づくカーストの最下層を指す言葉として使われている。

「これは危機的状況から国民の関心をそらし、憎悪による支配を進めようとする、メディアと政府による意図的な試みだ」 (c)AFP/Jalees Andrabi and Uzair Rizvi