■感情のコレクション

 また博物館は、テレワークやオンライン授業などによって自宅をオフィスや教室、スポーツジムとして使うことへの感想も集めた。

 ある女性はロックダウン中、自宅で「何でもできる」ようになり、イーストロンドン(East London)にあるビクトリア様式の家が「宮殿」みたいになったと表現した。

 対照的に庭のない狭いアパートで一人暮らしをしている女性は、「刑務所の独房に閉じ込められているよう」だと述べつつ、「それでも私は安全で、面倒な人間関係がないことに感謝している。階下の隣人は常にけんかしている」と語った。

「住まいの博物館」のソニア・ソリカリ(Sonia Solicari)館長は、「画像や証言のコレクションだけではなく、感情のコレクションにもなっている」と語った。

■インスタグラムにバーチャル博物館も

 歴史的な時代を記録するために、世界中の学芸員が同様の取り組みを行っている。スウェーデンの首都ストックホルムにある北方民族博物館(Nordiska Museet)では、日常生活がどのように変化したか、未来をどのように見ているかについて、子どもたちの感想を集めている。

 オーストリアの首都ウィーンの博物館がこれまでに収集した1800件の記録の中には、ロックダウン下で迎えた誕生日の写真や、窓ガラス越しのキスの写真が含まれている。

 またスペインのバルセロナ(Barcelona)では広告会社の若手幹部3人が、新型ウイルス流行とロックダウンにヒントを得てインスタグラム(Instagram)上にバーチャル博物館「コビッド・アート・ミュージアム(Covid Art Museum)」を立ち上げ、すでに世界中から900点以上の作品が集まっている。(c)AFP/Pauline FROISSART with AFP bureaus