■トレジャーハンターに教えを乞うたことも

 イダルゴさんは最悪の事態を想定し、埋められた遺体を捜す方法を探した。金棒を地面に突き刺し、遺体の腐臭を嗅ぐ方法を学んだり、トレジャーハンターに金属の探知方法を教えてもらったりしたこともある。最後に行き着いたのが、他の遺族と一緒にドローンを購入することだった。

 ドローンで最初に撮影した200枚以上の写真を見ている段階で、新たなヒントを得ることができた。「ここに空き地に通じる細い道が見える」と、イダルゴさんはノートパソコンのスクリーン上の1枚の画像を指さした。「この白いところは石でしょう。でもまとまってあるのは珍しい」

 この一帯では過去の捜索で、数千の白骨化した遺体が発見されている。だが、地下に埋まっている可能性のある遺体の捜索でドローンを使ったのは初めてだ。

 サウセド検察官によると、誘拐犯の一味が殺害した犠牲者の遺体をここに遺棄したという証拠がある。遺体を焼却し遺灰をばらまくか、浅い穴に埋めて発見しにくいようにしているという。

 法人類学者のフェルナンド・ゴンサレス(Fernando Gonzalez)氏は、空き地にある家で遺体を焼却していたと推測する。

 イダルゴさんは、「誰も私たちが今やっているような方法で遺体を捜そうとはしなかった」と語る。「だが、ここまで分かっても、今なおロイが見つからないことに無力さを感じる」

 映像は2月24日撮影。(c)AFP/Jennifer GONZALEZ COVARRUBIAS