【3月23日 AFP】陸上競技で五輪通算9個の金メダルを獲得したカール・ルイス(Carl Lewis、米国)氏は、東京五輪の2年の延期を提案する一方、完全に中止するという考えは認めないと語った。

 58歳のルイス氏は米ヒューストン(Houston)の地元テレビ局に対し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)による混乱を受け、全米陸上競技連盟(USATF)や米国水泳連盟(USA Swimming)による延期の呼びかけを支持した。

「最高なのは、メッセージの中に連帯感を作り出していること」「選手は全くあてにならないことがあると、準備をしたり、トレーニングをしたり、モチベーションを維持したりすることは本当に難しい。それが一番大変だ」「健康上の問題なので、制御不能だ。ほとんどのアスリートはそれを受け入れていると思う」

 7月24日の東京五輪開幕を控え、陸連と水連は代表選手を決める選考会を6月に予定している。多くの選手は、この致死性の高いウイルスが拡散しないように自宅待機を強いられており、トレーニングの継続に苦労している。

「五輪の選考会が、大会がなければ、選手たちは五輪に向けて準備できない」

「今回の場合、USATFは一歩踏み込んだと思う。アスリートファーストの意見を世に送り出しているし、アスリートたちもそれを高く評価していると思う」

 ルイス氏は、東京五輪を2年延期し、2022年に予定されている北京冬季五輪の後に行うことを検討するよう国際オリンピック委員会(IOC)に求め、「2年たてばより安心できる状況になっているだろうし、冬季五輪の年に移せば、記念すべき五輪イヤーになる」と語った。

 一方でルイス氏は、東京五輪を完全に中止するという考えは間違っているとも語っている。

「私からすれば中止は、選手たちにとって何の役にも立たない。公平ではない。延期をして、これが自分たちのやることだといえば、選手たちはネガティブなことからポジティブなことを見いだす可能性を手にすることができる」 (c)AFP