【2月26日 AFP】(更新)フランスの首都パリで、新型コロナウイルスにより60歳のフランス人男性が死亡した。同ウイルスによりフランス人が亡くなったのは初めて。保健省が26日、発表した。さらに国民教育省は同日、亡くなった男性が中学校の教員であることを明らかにした。

 保健省によると、男性は25日夜、重篤な症状を示して市内の病院に緊急搬送され、その夜のうちに亡くなったという。

 また国民教育省によると、男性はパリから北東へ約80キロ離れたオワーズ(Oise)県クレピーアンバロワ(Crepy-en-Valois)にある中学校の教員で、新型ウイルス感染が報告されている場所への渡航歴はなかったとみられるという。

 これにより、仏国内における新型ウイルスの死者は計2人となった。最初の死者は、今月中旬に亡くなった80歳の中国人観光客だった。

 同国では過去24時間以内に新たに4人の感染が報告され、感染者数はこれで計17人となった。

 新たな感染者のうち、北部アミアン(Amiens)市の男性(55)は重体で、現在病院で治療を受けている。

 またこの4人のうち2人は、欧州における新型ウイルス感染症の流行の中心地となっているイタリア・ロンバルディア(Lombardy)州から最近帰国していた。同州では10人が死亡している。

 仏政府はロンバルディア州および隣接するベネト(Veneto)州からの帰国者に対し、「あらゆる不要不急の外出」を避け、子どもを学校に行かせず自宅で待機させるよう呼び掛けている。

 さらに中国本土と香港、マカオ(Macau)、シンガポール、韓国からの帰国者に対しても同様の勧告が出されている。(c)AFP