■類人猿アート

 CGAは、オレンジ畑に囲まれたフロリダ中部ワウチュラ(Wauchula)近郊の40ヘクタールに及ぶ森にある。動物園でも公園でもないため見学者の受け入れは行っておらず、施設の宣伝もしていない。

 資金援助者のみが招待状が届いた時にだけ訪問することができるが、類人猿の様子を見られるのは年に数回ほどしかない。その際も、写真をソーシャルメディアに投稿することは禁じられている。

 そのため、この場所の存在を知っている人はごく少数だと、ジェフ・トーマス(Jeff Thomas)さん(76)は言う。トーマスさんと妻のテリー(Terrie Thomas)さん(60)は最近、他の資金援助者らとともに、「類人猿アート」のオークションに参加するため施設を訪れていた。

 木々の間に置かれたテーブルには、チンパンジーやオランウータンが描いた鮮やかな色の抽象画が並んでいた。

 類人猿1匹の飼育を支援するためには年間約2万3000ドル(約250万円)必要となる他、施設の維持費もかかる。CGAは年間180万ドル(約1億9400万円)の資金を必要としており、それらはすべて善意の寄付によって賄われている。(c)AFP/Leila MACOR