日本人の母親とハイチ人の父親を持つ大坂は、その後米国人のジャーメイン・ジェンキンス(Jermaine Jenkins)氏をコーチに迎えたものの、関係はわずか半年しか続かず、その間には調子が著しく低迷。連覇を目指していたフラッシング・メドウズ(Flushing Meadows、全米オープン)で痛恨の4回戦敗退に終わった後、同氏ともたもとを分かつことになった。

 昨年9月に生まれ故郷の大阪で開催された東レ・パンパシフィック・オープン(Toray Pan Pacific Open 2019)で、大坂は自分のことを最もよく知る父レオナルド(Leonard Francois)さんをコーチとしてチームに帯同させた。

 大坂はレオナルドさんの神経がコーチの仕事に耐えられないだろうと冗談を交えつつ、これが一時的な措置であると常に強調していたが、父親をコーチに迎えてすぐに結果を出した。

 日本で優勝を果たした後、その勢いに乗った大坂は、今後の女子テニス界で一緒に長くトップを争うと思われるビアンカ・アンドレスク(Bianca Andreescu、カナダ)と中国オープン(China Open 2019)で初めて対戦し、同選手の連勝を止めた。

 そして、父親がコートサイドで見守る中、決勝では世界ランク1位のアシュリー・バーティ(Ashleigh Barty、オーストラリア)を破り、2大会連続でタイトルを獲得。しかしながら、シーズン最終戦のWTAファイナルズ(WTA Finals Shenzhen 2019)では肩を痛め、大会を途中棄権する形でシーズンが早期終了となってしまった。

 セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)がグランドスラム史上最多記録に並ぶ通算24回目の優勝を目指す今年の全豪オープンで、大坂は故障やコーチの椅子取りゲームを忘れ去り、大会連覇に向けてかなり調子を上げているようにみえる。

 11日に行われたブリスベン国際の準決勝で、大坂は一時マッチポイントを握りながらもプリスコバに敗れ、試合後にはコート上でもっと感情を制御する必要があるという認識を示した。

「大阪と北京で優勝して以降、気持ちが高ぶっていた。少し落ち着きを失ってしまい、ラケットを投げつけたりしてしまった」「だから、全豪オープンに向けてその点を改善していく必要がある」 (c)AFP