【1月8日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は7日、イランと戦争になった場合はイランの文化遺産を狙った攻撃を命令する権利があると主張した発言を取り下げた。

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 文化遺産を狙った攻撃は戦争犯罪に値するとの激しい批判にさらされたトランプ氏は、国際法に準じることをやむを得ず認めた。しかし、そうした制限は不当だと再度強調した。

 トランプ氏は記者団に対し、「考えてもみろ。イランはわれわれの国民を殺し、吹き飛ばしているのに、われわれはイランの文化財を丁寧に扱わなければいけないというのか。まあ仕方ない」と発言。「法律がそのようなものならば従おう」と述べた。その上でさらに、イランが「行うべきではないことをした場合には、非常に厳しい報いを受けることになる」と警告した。

 戦争になれば文化遺産を守るための国際法に準拠する必要はないと述べたトランプ氏の前言に対しては、米国内やイラン政府、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)など各方面から非難が噴出した。マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官とマーク・エスパー(Mark Esper)国防長官は、この脅迫的な発言の釈明に追われた。

 イランには、ユネスコに登録されている古代文化の世界遺産が20か所以上点在している。(c)AFP