■切断遺体に驚かなくなった人たち

 かつて太平洋の高級リゾートとして栄え、現在は暴力のまん延により治安が悪化したアカプルコ(Acapulco)に駐在するフランシスコ・ロブレス(Francisco Robles)記者(38)は、人々の感覚はまひしていると話す。「切断された遺体を見ても驚かなくなった。顔色も変えずに犯罪現場の脇を通り、まるで何事もないかのように、ただの観光客向けのアトラクションででもあるかのように、写真や動画を撮影している」

■怪物になった気分

 フリオ・セサル・アギラル(Julio Cesar Aguilar)記者(41)は、12年前に引っ越した北部の産業都市モンテレイ(Monterrey)で犯罪現場を撮影している。自身は空き巣に4回入られ、2回引っ越しをしたという。

「時々、一日が始まったばかりの時は正常だが、写真を撮っているうちに自分の外見が変わり、夜にはほとんど怪物になった気分になることがある」「こんなふうにして日一日が過ぎていく」とアギラル記者は語った。(c)AFP/Patrick Anidjar