英トラック遺体事件、ベトナムで犠牲者埋葬
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【11月29日 AFP】ベトナムで28日、英国で冷蔵トラックのコンテナから遺体で見つかり、送還された犠牲者の埋葬が行われた。先月の事件発覚後、犠牲者が埋葬されるのは初めて。儀式には親族が多数参列し、涙を流した。犠牲者らは若く、その死は故郷の田舎町に動揺を与えている。
親族はわが子の遺体の帰国を切望し、数週にわたり搬送待ちの状態に苦しんできたが、まず16人の遺体が27日に空路到着した。ロンドンからベトナムへの輸送には、商用機が使われた。
事件は先月、英南東部エセックス(Essex)州で発覚した。犠牲者は男性31人、女性8人で、全員がベトナム人。多くが中部の小さな町の出身だった。
遺族らは遺体に夜通し付き添った後、28日に愛する家族の遺体を埋葬した。
中部ゲアン(Nghe An)省では雨の中で儀式が行われ、多くの遺族や近隣住民が参列。犠牲者のホアン・バン・ティエップ(Hoang Van Tiep)さん(18)、グエン・バン・フン(Nguyen Van Hung)さん(33)に別れを告げた。ティエップさんとフンさんはいとこ同士だった。
儀式のさなか、悲しみに打ちひしがれ、目の前の光景に耐えかねた故人の両親がバイクで連れ出される場面もあった。墓地にとどまった参列者らも、ひつぎが墓穴に下ろされる様子に声を上げながら涙を流した。
遺族は事件発覚以来、数週にわたり犠牲者の帰国を待ち続け、遺灰の場合で1800ドル(約20万円)、遺体の場合で2900ドル(約32万円)の輸送費を政府から借り入れて工面した。(c)AFP/Tran Thi Minh Ha, with Jenny