【11月23日 AFP】(更新、写真追加)ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis、82)が23日、日本に到着した。原爆の被爆地である広島と長崎を訪れる予定で、核兵器の脅威を訴えて平和の祈りをささげる。

 今回のアジア歴訪における最初の訪問国タイから、フランシスコ教皇を乗せたタイ国際航空(Thai Airways)機が羽田空港(Haneda Airport)に到着すると、激しい雨と強風の中、教皇は白いケープをなびかせながら、ゆっくりとした足取りで階段を下りた。かつて宣教師として日本への赴任を希望していたアルゼンチン生まれの教皇は、日本で説教を行うという長年の夢を実現することになる。

 4日間の滞在期間で最初に訪れるのは、被爆地の長崎と広島だ。フランシスコ教皇は、訪日を前にバチカンで日本人に向けたビデオメッセージを発表し、核兵器の使用は「倫理に反する」と述べ、「核兵器の破壊力が人類の歴史において二度と解き放たれることがないよう皆さまと共に祈ります」と呼び掛けた。

 日本に先立って訪れたタイで教皇は、現代的なテクノロジーがもたらす危険に警鐘を鳴らす一方で、タイ仏教の指導者とも面会し、宗教に関する寛容を説いた。日本でも同様に、24日に訪れる長崎では、日本の文化と宗教儀式が融合した独特のカトリックを秘密裏に信仰し続けた「隠れキリシタン」にも敬意を表す予定。広島では、平和記念碑でメッセージを発信する。

 25日には、東京で東日本大震災の被災者らと面会する予定。天皇陛下や安倍晋三(Shinzo Abe)首相とも会談し、東京ドーム(Tokyo Dome)でミサを行うことになっている。(c)AFP/Catherine MARCIANO, Richard CARTER