【11月23日 AFP】スペイン1部リーグ、レアル・マドリード(Real Madrid)のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)監督は22日、ギャレス・ベイル(Gareth Bale)がクラブよりウェールズ代表としてプレーするときの方がうれしそうであるとの見解を退け、同選手への支援をファンに呼び掛けた。

 30歳のベイルは、本拠地サンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)で行われる23日のレアル・ソシエダ(Real Sociedad)戦で、地元ファンから不満の目を向けられることになるとみられている。

 その要因となったのは、19日に行われた欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選でウェールズがハンガリーに勝利した際に、ベイルが「ウェールズ、ゴルフ、マドリード。この順番だ」と書かれた国旗を掲げ、スペインメディアから批判を浴びたことだった。

 このスローガンは、先月に元レアルのページャ・ミヤトヴィッチ(Pedja Mijatovic)氏が、スペインのラジオ局カデナ・セル(Cadena Ser)とのインタビューで、ベイルの優先順位に関して言及した内容をウェールズファンが引用して作成したものだった。

 ベイルはけがでレアルでの直近6試合を欠場していた中で、インターナショナルブレーク中にはウェールズ代表として2試合に出場しており、スペインでは国旗のメッセージがレアル・マドリードに対するかすかな反抗と捉えられた。

 しかし、ジダン監督はこの日の記者会見でベイルを批判することはせず、「彼がこのクラブやファンにもたらしてくれているものは、われわれがこのクラブにいる理由の全てだ」「ギャレスはチームの一員であり、ファンは常にわれわれを応援してくれているはず。私はこれからもずっと選手たちを支援する。クラブの外ではいろいろあるだろうが、チームにいるときはサッカーのことだけに集中しなければならない」と述べた。

 ベイルは国際試合に臨んでいる間、一緒に成長して母国語を話す仲間とウェールズを代表することに関して、より多くの喜びを感じると認めていた。

 ジダン監督は、ベイルがクラブより母国のためにプレーする方がうれしそうか聞かれると、「そうは思わない。言葉に関してはそうかもしれないが、欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の決勝で得点したとき、彼はうれしそうだった」「言葉だけ、と彼は言っていた。ロッカールームの中では上機嫌だ」と答えた。(c)AFP/Thomas ALLNUTT