【11月21日 AFP】国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は20日、交流サイト(SNS)最大手、米フェイスブック(Facebook)と米IT大手グーグル(Google)の原動力となっているデータ収集に基づくビジネスモデルが、世界中で人権に対する脅威となっていると訴えた。

 アムネスティは報告書の中で、無料でオンラインサービスを提供してからユーザー情報を使ってターゲティング広告で利益を得る手法は、言論の自由と表現の自由を含むありとあらゆる人権を危険にさらしていると述べた。

 さらに、「両社の監視に基づくビジネスモデルでは、ユーザーはファウスト的契約を強いられ、人権侵害の上に成り立つシステムに従うことでしかオンライン上で人権を享受できない」と説明。

 アムネスティは、両社が至るところからの監視によって収集した大量のデータは、ユーザーの意向に反して使われかねないと指摘した上で、こうしたビジネスモデルは「本質的にプライバシーの権利と相いれない」と主張した。

 アムネスティのクミ・ナイドゥ(Kumi Naidoo)事務総長は、「グーグルとフェイスブックは私たちの現代生活を支配している。数十億人の個人情報を収集し、収益化することでデジタル世界で前例のない勢力を築いている」「彼らは私たちのデジタル生活を知らぬ間に支配することで、プライバシーの本質を害している」と指摘。

 さらに「政府には、企業による人権侵害から国民を守る義務がある」「にもかかわらずIT企業は過去20年にわたり、おおむね自主規制に任されてきた」と述べた。(c)AFP