仏ルーブル美術館、ダビンチ没後500年記念展 最大規模
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■モナリザはVRで
実はモナリザは、今回展示されていない。モナリザ目当ての来場者は1日当たり3万人近くに上っているため、主催者らは混雑を避けるため、モナリザをルーブル美術館の定位置である「国家の間(States Room)」に留めておくことを選択した。来場者は展示会の最後に、バーチャルリアリティー(VR)でモナリザを鑑賞できる。
ドリュバン氏によるとダビンチは時を経るにつれ、わざとらし過ぎると感じるようになった身ぶり手ぶりは省き、代わりに表情に焦点を絞るようになったという。「実験を通じて、完璧ではない絵画の持つ力を発見した」
ドリュバン氏は「ダビンチの偉大な功績の一つは、未完の作品が持つ力を同時代の人々に示したことだ。ダビンチは完成した形への執着と決別した。詩的に表現すると、ダビンチは20世紀の抽象芸術への道を開いたのだ」と語った。
2017年に競売大手クリスティーズ(Christie's)でダビンチの作品として競売に出され、史上最高の4億5000万ドル(約500億円)で落札された絵画「サルバトール・ムンディ(救世主、Salvator Mundi)」も展示には含まれていない。
サルバトール・ムンディをめぐっては本当にダビンチが描いたのかどうか、美術専門家の間で意見が割れている。さらに、落札後は公の場で展示されることはなく、謎に包まれたままだ。
ルーブル美術館は今回の特別展のため、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビにある文化観光局に絵の貸し出しを依頼したが、回答は得られていないという。(c)AFP/Gina DOGGETT and Aurelie MAYEMBO