【10月2日 AFP】米ジョージア州連邦地裁は1日、同州で今年5月に成立した厳格な人工妊娠中絶規制法の施行を差し止めた。同州は映画やテレビ番組のロケ地として知られており、この新法はハリウッドの映画関係者らを中心に大きな非難を巻き起こしていた。

 同規制法では、胎児の心拍確認以降の中絶を禁止。これは妊娠6週目前後に当たり、この時期にはまだ妊娠に気付いていない女性も多い。

 だがジョージア州北部地区連邦地方裁判所のスティーブ・ジョーンズ(Steve Jones)判事は、母体外での生存が可能になる前、つまり妊娠24週目ごろまでの中絶を認めた最高裁の判例と矛盾するとして、来年1月1日に予定されていた同法の施行を差し止めた。

 この新法をめぐっては、ウォルト・ディズニー・カンパニー(The Walt Disney Company)や動画配信サービスのネットフリックス(Netflix)などエンターテインメント大手数社が、施行された場合は、同州での撮影から撤退すると表明していた。

 また女優で活動家のアリッサ・ミラノ(Alyssa Milano)さんは、法案が撤回されるまで性行為をボイコットするよう女性らに呼び掛けていた。

 ジョージア州をはじめ、同国の南部や南西部の保守州では、同様に厳格な中絶規制法が成立しているが、そのうちミズーリ、アーカンソー、ケンタッキー、ミシシッピなどの州では裁判所が後に無効の判断を示している。(c)AFP