【9月18日 AFP】米カリフォルニア州で、生まれる子どもに米国籍を取得させたい裕福な中国人妊婦を対象に、違法で高額な「出産ツアー」を企画運営していたとされる中国人被告が17日、有罪を認める司法取引に応じた。顧客には政府関係者も含まれていた。

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 李冬媛(Dongyuan Li)被告(41)が経営していた会社「You Win USA Vacation Services」は2013年から2015年3月にかけて、中国人を中心とする外国人妊婦を米国に入国させ、出産させていた。

 同社のウェブサイトは、ツアーには中国人500人以上が参加したと宣伝。当局によると、ロサンゼルス南郊アーバイン(Irvine)にあるアパート20か所に顧客を泊まらせていたという。

 当局によると、李被告は出産ツアーの対価として4万~8万ドル(約430万円~860万円)を請求。中国からの電信送金で2年間で300万ドル(約3億2500万円)を得ていた。

 起訴状によると、この「出産ツアー」に関与した李被告と19人の被告人は、米国の入国管理を回避したり、妊娠を隠したりする方法を顧客に伝授していた。

 さらに、2種類の航空券を予約するようアドバイス。まずは中国からハワイへの便に乗り、目的地にはホノルル(Honolulu)にあるトランプ・インターナショナル・ホテル(Trump International Hotel)を記載。その後、ロサンゼルス行きの便に乗るという段取りだった。

 量刑は12月16日に言い渡され、最長15年の禁錮刑が科される可能性がある。

 米国内で生まれた子どもは自動的に米国籍を与えられるため、さまざまな国の大勢の妊婦が有効なビザを手に米国に入国して出産しているが、ビザの申請時に虚偽の申告をせず、医療費を支払える限り合法だ。

 しかしドナルド・トランプ(Donald Trump)政権はこの慣行を厳しく批判。米国内で生まれた子どもに自動的に米国籍付与を保証する出生地主義の廃止を提案している。(c)AFP