【7月29日 AFP】米国が先週、中国が世界貿易機関(WTO)で「発展途上国」として優遇措置を受けていることを不服として制度の見直しを求める姿勢をみせたことについて、中国の国営新華社(Xinhua)通信は29日、今週行われる貿易協議に向けて圧力をかける戦術であり、失敗する運命にあると論評した。

 トランプ氏は26日、ロバート・ライトハイザー(Robert Lighthizer)通商代表に宛てた文書で、WTOの制度見直しについて90日以内に「具体的な進展」がない場合、米政府は「自らを不当に発展途上国と申告し、WTOのルールや交渉において不適切に優遇措置という恩恵を受けている」WTO加盟国は全て、発展途上国として扱わないと述べた。恩恵を受けている国としてトランプ氏が最も念頭に置いているのは中国だ。

 米中は30日と31日、貿易摩擦の解消に向けて中国の上海で協議する。この貿易摩擦で、世界最大の経済大国である米中は、双方向貿易で3600億ドル(約39兆円)相当を超える関税を課している。

 新華社は、WTOをめぐる米国の警告について、米政府は「明らかに、交渉を有利にするための新たな材料としてタイミングを見計らって文書を出した」と主張。「しかし、圧力をかける戦術は中国にとって新しいものではなく、効果を発揮したこともない」と指摘し、「米国の新たな覇権主義的試み」は「壁に突き当たる運命にある」とした。(c)AFP