【7月27日 AFP】韓国・光州(Gwangju)で開催されている第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)の表彰式で、一部の選手が中国競泳界のエース孫楊(Yang Sun、ソン・ヨウ)を拒絶する騒動が起きていることについて、国際水泳連盟(FINA)の責任者は、こういった行為は水泳界のイメージを損なうものであり、今後も繰り返される場合はメダル剥奪の可能性もあると強調した。

 オーストラリアのマック・ホートン(Mack Horton)と英国のダンカン・スコット(Duncan Scott)は、各レースの表彰式において、新たなドーピング疑惑の渦中にいる孫との握手を拒否するなどし、大会に波紋を広げている。

 こうした問題を受けて、今週に入り連盟主催の大会に出場するアスリート全員を対象にしたガイドラインの改定に急きょ乗り出したFINAのコーネル・マルクレスク(Cornel Marculescu)事務総長は、AFPの取材に対して、「政治的ではなく、競技的な観点からこの問題に関与していきたい」「このような事態が起きた場合の基本方針を(条項で)明確にした」と話した。

 新たなルールでは、アスリートは「表彰式を含めて大会全体に積極的に参加すること」が求められ、それに従わない場合はメダル剥奪や出場禁止の可能性もあると警告されている。

 アスリートが今後どのような処分に直面するのか詳細については明らかになっていない中、新しい条項には、「大会期間中において、選手は大会職員、他の競技者、チームメンバー、または観客に対して、攻撃的あるいは不適切な何らかの行為を絶対にしてはならない」「政治的、宗教的、差別的な発言あるいは行為を、固く禁じるものとする」と書き加えられていた。(c)AFP/Alice PHILIPSON