【7月13日 AFP】スウェーデンのマーゴット・バルストロム（Margot Wallstrom）外相は12日、同国は国連（UN）で採択された核兵器禁止条約（Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons、TPNW）に署名しない方針を明らかにした。

　バルストロム氏は首都ストックホルムで記者会見を開き、「政府は今のところ、核兵器の禁止に関する条約に署名するつもりはない」と述べた。

「核兵器または核爆発装置」の禁止を求める内容のTPNWは2017年7月、国連総会（UN General Assembly）でスウェーデンを含む122か国の支持を得て採択された。

　バルストロム氏は、スウェーデンは採択の際に賛成票を投じた一方、同条約の兵器という用語に明確な定義が欠けている点や、核拡散防止条約（NPT）をはじめとする他の条約との関係について懸念を表明していたと指摘。また、スウェーデンはTPNWに署名しないが同条約のオブザーバーの地位を求めていくとして、核兵器のない世界を目指すスウェーデンの方針には変わりがないと述べた。

　バルストロム氏は、「署名できる条約であったならば、とは思います。しかし、リアリストでもあらねばなりません」と語った。

　TPNWには、これまでに70か国が署名、23か国が批准。50か国の批准により発効する。核兵器の保有が知られている、または疑われている9か国がいずれも署名していないことから、TPNWはおおむね象徴的なものにすぎないとみられている。(c)AFP