この写真を見て私は自分の情報不足を実感した。最初にこの写真を見たとき私はルーマニアの風景であるとは思わなかった。勝手に貧困でない国だと思い込んでいたからだ。しかし、その考えは間違いであると気づかされた。
ルーマニアには城や教会の美しいイメージがあった。
ところが、この写真では子供たちが美しい街並みではなく土壌を汚染しているごみの山の中で遊んでいる。あまりに自分のなかの風景とかけ離れていた。この写真がなければ私はルーマニアがこのような状況であると知らないままだっただろう。
多くの情報を得ることが先入観や思い込みをなくし、貧困をなくすための第一歩となるのではないか。この写真は私の思い込みを一つなくした。


[東洋英和女学院大学 人間科学部人間科学科3年 吉富百合香]

[講評] 加来賢一(AFPWAAディレクター)
現代において私達はニュースメディアを通じて、日々数多くの写真や映像に接しています。そこでは、ほとんどの写真が即時に消費され、やがては記憶の隅に追いやられてしまいます。
今回のワークショップでは、自らが選択した一枚の写真と向き合って、自分との関係について記述します。吉富さんの応募作品は、まだ見ぬ世界について知ること、そして、その写真から感じた自分の思いについて素直に語っています。”FACING THE WORLD” 先入観を排して世界の現実と向き合うことの大切さを教えてくれます。