■子どもたちは遊びを通じて訓練

 南スーダンでは道路整備が非常に遅れているため、ICRCは病院やリハビリセンターへの患者の搬送を飛行機やヘリコプターに頼っているが、雨期には、場合によって、多くの遠隔地で着陸が困難になる。主に民族紛争で負傷した患者たちを全国各地から搬送すること自体に問題が生じることもある。

「彼らは傷を負ってここへ来ます。大半は、銃や地雷による傷です」「私たちは彼らに『寛容』について説いています」と、ソーシャルワーカーのジェームズ・ソマ(James Soma)さんは語り、その前日にも患者同士で、相手が属する民族を理由に口論があったことを明かした。

 スティーブン君のように義肢を使用したことのある患者は、2~3日で自宅に戻れるが、そうではない患者は数週間を要することもある。

 現在、同施設にいる重度の脊柱側弯症を患う少年は、オーダーメードの車椅子を手に入れるためにここにやって来るまでは、一輪車に乗せられて学校への送り迎えをしてもらっていた。ヘビに脚をかまれた後、およそ2週間も治療を受けられず、脚の切断を余儀なくされた患者もいる。

 理学療法士のオケッタ・ロバート・カンヤラ(Oketta Robert Kanyara)さんは、義肢を装着したばかりの子どもたちは遊びを通して訓練を行っていると語った。体重移動のやり方が分からず、指示に従うことが難しいためだ。

 それでも進歩はみられる。2013年に地雷で脚を失ったスティーブン君と訓練を始めたときは、乗り越えなければならない課題がたくさんあった。

「とても大変でした」とカンヤラさん言う。「体重をかけるように言っても泣き出して。ですから、ゆっくり少しずつ進めなければなりません」 (c)AFP/Fran BLANDY