【3月2日 AFP】北朝鮮で拷問を受け、昏睡(こんすい)状態で釈放された後に死亡した米大学生オットー・ワームビア(Otto Warmbier)氏の両親は1日、同氏に起きたことを知らなかったとする金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の釈明を「受け入れる」としたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を強く非難した。

 一方、トランプ大統領は同日、発言が「誤解」されているとツイッター(Twitter)に投稿し、火消しを図った。

 トランプ大統領は今週、ハノイでの米朝首脳会談後の記者会見で、ワームビア氏の身に起きたことを拘束期間中は知らなかったとする金委員長の主張を信じる姿勢を示し、米国内で激しい批判を招いていた。

 大統領は会見で、金委員長は「この件を非常によく知っているが、後になって知ったのだ」とし、「(同委員長は)私に知らなかったと言った。私はその言葉をそのまま受け入れる」と述べた。

 ワームビア氏の父フレッド(Fred Warmbier)、母シンディ(Cindy Warmbier)両氏は、トランプ大統領が会見で金委員長を「称賛」したことを非難した。

 両氏は声明で「首脳会談の間は慎んでいた。しかし今は発言しなければならない」と述べ、「金氏とその邪悪な政権は、私たちの息子オットーの死に責任がある。金氏とその邪悪な政権は、想像を絶する残忍で非人道的な行いに責任がある」と指摘。「いかなる弁明も称賛もそれを変えることはできない」とした。

 トランプ大統領はツイッターで、北朝鮮にワームビア氏の死に対する責任を取らせると強調する一方、投稿で金委員長を名指しすることも、同委員長の責任を指摘することもなかった。(c)AFP/Paul HANDLEY