【2月18日 AFP】ベネズエラ当局は17日、暫定大統領就任を宣言した野党指導者フアン・グアイド(Juan Guaido)国会議長が招いた欧州議会(European Parliament)の議員団5人の入国を拒否し、国外退去を命じた。人道支援物資の搬入をめぐって政府と対立を深めるグアイド氏は、「理性を失った」対応だと批判している。

 議員団を率いるエステバン・ゴンサレス・ポンズ(Esteban Gonzalez Pons)欧州議員(スペイン代表)は、5人とも何の説明もなく入国を拒否され、パスポートを押収されたと述べた。

 グアイド氏を暫定大統領と承認した国は、米国や欧州30か国をはじめ、50か国以上に上っている。欧州議員の入国拒否を受け、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領のベネズエラ政権と国際社会との緊張関係は一段と高まることとなった。

 グアイド氏はツイッター(Twitter)に、欧州議員らは「孤立し、ますます理性を失った政権によって国外追放された」と投稿した。

■ボランティア100万人で政府に対抗

 これに先立ち、グアイド氏は同日、米国などから届いた支援物資の搬入を阻止している政府に対抗するため、「23日までにボランティア100万人を確保する」と支持者らに向けて宣言した。

 ベネズエラ国民が切望する食料や衛生用品、栄養剤などの物資は、国境手前のコロンビアの町ククタ(Cucuta)に積み上げられた状態となっている。ブラジル国内や、ベネズエラ北方沖のオランダ領キュラソー(Curacao)にも今週、新たに物資の保管倉庫が開設される予定だ。

 グアイド氏の呼び掛けに応じ、すでに60万人が支援物資搬入ボランティアに参加を表明した。バスを連ねてボランティアを国境に送り込み、到着する支援物資を受け取る計画だが、マドゥロ大統領の命令で軍が国境沿いに設置したフェンスをどのように突破するのかについてグアイド氏は明かしていない。(c)AFP/Maria Isabel SANCHEZ