【1月16日 AFP】テニス界の問題児バーナード・トミック(Bernard Tomic、オーストラリア)から名指しで批判されたレイトン・ヒューイット(Lleyton Hewitt)氏が15日、オーストラリアテニス界は分断されてなどいないとトミックの主張に異を唱えた。

 トミックは全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)1回戦の後、同国テニスの重鎮ヒューイット氏が国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)の監督でありながら試合にも出場しようとしていることなどを指しながら、同氏が国内のシステムをひっかきまわし、周りから煙たがられていると話していたが、猛攻撃を受けた当の本人は「お笑い草だ」と相手にしなかった。

 ヒューイット氏は国内テレビ局のチャンネル・ナイン(Channel Nine)に対して、「対立があるとは思わない。監督とコーチ、選手の間で常にコミュニケーションは取れているし、次戦に向けてもそれは変わらない」と話した。

「正直に言って、少し笑ってしまった。特に、ああやって負けた後にごちゃごちゃと文句を垂れるというのはね…。こっちとしてはとんだお笑い草だし、この話はもうこれっきりにしたい」「ただ残念なのは、きのうは男子も女子もオーストラリア勢が非常に健闘していたのに、バーナードの発言がそれに水を差したことだ」

 頭に血が上りやすい26歳のトミックは、男子シングルス1回戦で敗れた後、デビスカップ主将で四大大会(グランドスラム)通算2勝を誇るヒューイット氏に対する不満をぶちまけた。

 波乱の2018年シーズンを送り、「俺がやるのは金を数えることだけだ」と豪語して猛反発を食らったトミックは、オーストラリアの男子テニス界に大きな分断があると強調した上で、「何もかもレイトンだ。本音を言うならば、彼のことはもう誰も好きじゃない」「彼のやっていることは間違っている。デビスカップでプレーするつもりらしいが、彼は引退したはずだ。この意味が分かるか?」と言い放っていた。

「彼はオーストラリアテニス協会(Tennis Australia)が大嫌いだったはずなのに、おかしな話だ。今では彼らのことが大好きで、いったいどうなっている?」「彼は協会を他のことや資金源として利用しているんだ。そうさ、自分の給与のためにね」

 かなり前からヒューイット氏や豪テニス協会との関係がこじれているトミックは、自分や同胞のニック・キリオス(Nick Kyrgios)とタナシ・コキナキス(Thanasi Kokkinakis)らが、「もはや(デビスカップで)プレーすることを望んでいない。彼(ヒューイット氏)がシステムを台無しにしているからだ」と明かすと、同氏に対して「どっか行けよ。文字通りな」「引退したのに、なぜ今もテニス界にいるんだ?」と吐き捨てた。

 37歳のヒューイット氏は、今回の全豪オープンで母国の後輩であるジョン・パトリック・スミス(John-Patrick Smith)とペアを組み、ワイルドカード(主催者推薦)で男子ダブルスに出場することになっている。先月の報道では、同氏が2月に行われるボスニア・ヘルツェゴビナとのデビスカップで、ダブルスに出場することを考えていると伝えられた。(c)AFP