【12月29日 AFP】2019年ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)では、王者ニュージーランド代表が優勝候補として乗り込んでくるが、今年のシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2018)でグランドスラム(全勝優勝)を達成したアイルランド代表は、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)のよろいにほころびがあることを証明している。

 スティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)が率いるニュージーランドは、11月のテストマッチでアイルランドに9-16で敗れ、同国相手に直近3試合で2敗目を喫するなどW杯前につまずいた。アイルランドはヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ(2017-18 European Rugby Champions Cup)でレンスター(Leinster Rugby)が優勝を果たしたほか、マンスター(Munster Rugby)がベスト4入りを果たすなど力をつけている。

 オールブラックスは2011年の母国大会に続いて2015年のイングランド大会でW杯連覇を果たし、ラグビー界で圧倒的な強さを誇ってきたが、9月にはホームでスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)に34-36で敗北。母国で黒星を喫したのは、2017年にブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)に21-24で敗れてシリーズを引き分けた時を除き、2009年以来のこととなった。

 アイルランドのニュージーランド戦の勝利は、イングランド代表などでアシスタントコーチを務めたアンディ・ファレル(Andy Farrell)氏が構築した強固なディフェンスが土台となった。イングランド代表のオーウェン・ファレル(Owen Farrell)の父親である同氏は、W杯後にジョー・シュミット(Joe Schmidt)HCの後任としてアイルランドを率いることになっている。

 オールブラックスのハンセンHCは「現時点では彼ら(アイルランド)が世界ナンバーワンだ」「彼らがW杯の優勝候補であると言うなら、それで構わない。私も彼らが優勝候補だと思う」と述べた。しかしながら、各ブックメーカーではニュージーランドが優勝候補の筆頭としてアイルランド、イングランド、南アフリカ、そしてウェールズの上に立っている。

 世界ランキングでもニュージーランドがトップで、2位以下はアイルランド、ウェールズ、イングランドの順となっており、南半球のチームがベスト4を独占した前回大会のような戦いになるとは予想しにくい状況となっている。