■調子上向きのイングランド

 母国開催となった前回のW杯でプール突破を果たせず、散々な結果に終わったイングランド代表は、同大会の準優勝チームであるオーストラリアとの11月のテストマッチで、爆発力のあるフォワードと洗練されたバックス陣が見事に融合し、37-18で勝利を収めて2018年を締めくくった。

 この白星で、イングランドは秋のテストマッチの戦績を4戦3勝とし、15-16で屈したニュージーランド戦が唯一の黒星となった。今年はシックスネーションズから1勝2敗で負け越した南アフリカとのシリーズにかけて5連敗を喫したが、その成績不振を全て振り払った。

 指揮を執るエディー・ジョーンズ(Eddie Jones)HCは、「チーム内には競争がある」と話すと、問題になっているペナルティーの多さについては、「世界のトップを目指すには、激しく押していかなければならない」と主張した。

■南アフリカの巻き返し

 通算2度のW杯優勝を誇る南アフリカは、新指揮官のラシー・エラスムス(Rassie Erasmus)HCとダイナミックなシヤ・コリシ(Siya Kolisi)主将の下で息を吹き返し、この2シーズンの成績不振から巻き返しを見せている。

 エラスムスHCは、「全ての準備が整い、選手全員が同じ心構えになっている時は、アウェーでオールブラックスを倒したり、イングランドとのシリーズに勝ったりできることを示してきた」とすると、W杯は「予測不能」な大会であるとして、「W杯には1995年から関わっているが、今回はどこがベスト4入りを果たすか予想できない」と述べた。

 スプリングボクスは11月のテストマッチ最終戦でウェールズに11-20で敗戦。そのウェールズは11月のテストマッチで初めて全勝を飾り、連勝記録を9に伸ばしながらも「伏兵」としてW杯日本大会に乗り込みたいとしており、ウォーレン・ガトランド(Warren Gatland)HCは、「できる限り目立たずに、自分たちの仕事に集中したい」と語った。

 一方、フランスはパリで行われた今季最終戦でフィジーに14-21で敗れ、同カードで史上初の黒星を喫するという最悪の形でシーズンを締めくくった。2018年はオーストラリアも忘れ去りたい一年を送ったが、両チームはW杯前の不振を振り払い、本大会に乗り込んでくる傾向がある。

 また、ティア2につけるフィジーがフランスに勝ったことも、W杯のプールステージが混戦になる予想を裏付けている。フィジーはオーストラリアやウェールズと同組に入っており、特に2007大会で勝利を収めたウェールズからは厳しくマークされると予想される。(c)AFP/Luke PHILLIPS