【12月2日 AFP】イタリア・セリエBのパレルモ(US Citta di Palermo)が、10ユーロ(約1280円)で売却されたことが1日に発表された。

 77歳になるクラブのオーナーで、2002年に1500万ユーロ(約19億円)でパレルモを買収したマウリツィオ・ザンパリーニ(Maurizio Zamparini)会長が、「ロンドンの企業」に10ユーロという「象徴的な価格」で「クラブの100パーセント」を売却したと明かした。

 新オーナーについて具体的なことは明かされていないが、会長によれば「2280万ユーロ(約29億円)というクラブの巨額の負債を清算する」約束をしていると言い、「来週、新オーナー側やチーム、パレルモ市の代表者と話し合いを行う」予定だという。

 1900年に創設されたパレルモは、アルゼンチン代表のパウロ・ディバラ(Paulo Dybala)やハビエル・パストレ(Javier Pastore)、ウルグアイ代表のエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)といったトップ選手を輩出してきた。ザンパリーニ会長の下で、クラブは2004年に31年ぶりにセリエAに復帰。以後は1年間セリエBで戦った他はほぼ1部に定着していたが、16-17シーズンに再び降格した。

 会長はサポーターらへ向けたメッセージの中で、売却は「深い悲しみ」を伴うが、「クラブの未来を考えて」身を引く決断を下したという。会長は「オーナー退任のサインをしたときは、こみ上げてくるものがあった」と話した。

「経済力と、私にはもはや不可能な投資を必要とする大きな目標を持った後任を見つけることが、しばらく前から目標だった」「ロンドンの新オーナーは、業界団体と連携しながら、スタジアムと練習グラウンドの建設に必要な行動を起こしてくれるはずだ」

 在職期間中に監督解任を繰り返したことでも知られる会長は「悲しいのは、生涯を通じて自分が極めて誠実で、公正で、社交的かつ寛大な人間だと示してきたにもかかわらず、それとは異なる人物としてメディアに描かれてきたことだ」「深い悲しみと、大きな愛情とともに、みなさんに別れのあいさつをさせていただく」と話している。(c)AFP