【11月26日 AFP】南米サッカー連盟(CONMEBOL)は25日、同日に順延されていたサッカーリベルタドーレス杯(Copa Libertadores de America 2018)の決勝第2戦を、再び延期すると発表した。

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスをホームとするライバル同士、ボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)とリーベル・プレート(River Plate)による決勝第2戦は、もともと24日に開催される予定だったが、会場のエスタディオ・モヌメンタル(Estadio Monumental)近くでボカのチームバスが相手サポーターに襲われ、選手が割れたガラスで負傷したり、催涙ガスを吸い込んだりした。

 そのため試合は翌25日に順延されていたが、大会を主催するCONMEBOLが「決勝を公平に開催できる状況ではない。そのためリベルタドーレス杯決勝を延期し、両クラブの会長と(パラグアイの首都)アスンシオンで話し合って日取りを調整することを決めた」と発表した。

 ボカのダニエル・アンヘリチ(Daniel Angelici)会長とリーベルのロドルフォ・ドノフリオ(Rodolfo D'Onofrio)会長は、27日にアスンシオンにあるCONMEBOL本部で会談する予定だが、新たな日程や会場を決めるのは簡単ではない。

 ブエノスアイレスでは今週末から20か国・地域(G20)首脳会議が開催され、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の他、ロシアや中国の首脳らが集結するため、厳戒態勢が敷かれる。また、リベルタドーレス杯の優勝チームはアラブ首長国連邦(UAE)で開催されるクラブW杯(2018 FIFA Club World Cup)に出場するが、その開幕が12月12日と近づいている。

 ボカのアンヘリチ会長は、連盟の規律委員会に対してリーベルに制裁を科すよう求めるつもりだと明かし、場合によってはこのまま試合をせず、ボカの勝利扱いとするのが望ましいと示唆した。会長は「個人的には、勝敗はピッチの上で決まるものだと思うが、私にはクラブの会長としての責任があり、規則に従わなくてはならない」と話した。

 クラブも声明を発表し、試合を延期するだけでなく「第18条にのっとった制裁」の適用を求めている。連盟の規則によれば、「失格や今後の大会からの追放」、あるいは罰金、勝ち点のはく奪、無観客試合などが選択肢として考えられるという。

 第18条は3年前のリベルタドーレス杯の決勝トーナメントでこの両チームが激突した際に適用され、ハーフタイムにファンがリーベルの選手にペッパースプレーを浴びせたボカが失格となり、リーベルが勝ち上がった。

 今回の事件では、チームバスに石や棒が投げつけられたことで、ボカ主将のパブロ・ペレス(Pablo Javier Perez)とゴンサロ・ラマルド(Gonzalo Lamardo)が負傷し、ペッパースプレーが使われたという話もある。

 連盟は当初、開始時間を遅らせて試合を強行しようとしていたが、ボカの選手はサッカーどころではないと強調していた。選手が目をこすりながらバスを降りる様子や、切り傷の治療を受ける姿は国内のテレビで繰り返し放送されており、病院から戻ったペレスは目にガーゼを当てていた。ベテランのカルロス・テベス(Carlos Tevez)は最初から「プレーできる状態じゃない」と話していた。

 CONMEBOLのアレハンドロ・ドミンゲス(Alejandro Dominguez)会長は、「世界に恥をさらしてしまった」と話している。(c)AFP/Cesar LOPEZ