【11月22日 AFP】今週末行われる18-19スペイン1部リーグのSDエイバル(SD Eibar)対レアル・マドリード(Real Madrid)戦で、本格的な性転換を1回の長時間手術で終わらせるという画期的な成功を収めてスペインで話題になっている外科医が、メスではなくフラッグを手にサイドラインを疾走することになった。

 スペイン国内で話題を呼んでいるのは、外科医のセサル・ノバル(Cesar Noval)さん。ノバルさんは2か月前、バレンシアで29歳の人物の女性から男性への「性別適合手術」に臨み、1回で全身の施術を完了させた。

 国内メディアによれば、スペインでは性別適合手術を完了させるのに通常2年から10年の時間を要するという。その中でノバルさんは、17時間で顔と胸の手術、そしてきちんとした機能を持った陰茎の形成を行った。

 そのノバルさんが、24日のレアル戦ではフアン・ムヌエラ(Juan Martinez Munuera)主審の審判団の副審を務める。

 試合に先立ち、報道陣の質問に応じたノバルさんは、手術について「バレンシアで行ったのは先駆的な手術で、目的は1回の手術で全身を男性に変更することでした」「結果は大成功でした」と話す一方、審判についても「すごくやりがいがあるので大好きです」と話している。

 ノバルさんがトップレベルの試合で審判団に入るのはこれが初めてではなく、最初は2010年のスペイン国王杯(Copa del Rey)の試合だった。

 2016年には初めてリーグ戦を担当し、ギャレス・ベイル(Gareth Bale)が2点を挙げてレアルがソシエダ(Real Sociedad)を3-0で下した試合でタッチラインを上下動した。ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)や欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)の予選を受け持ったこともある。

 今季のハイライトは、スコアレスドローに終わったサンチャゴ・ベルナベウ(Santiago Bernabeu Stadium)でのマドリードダービー。試合についてノバルさんは「レアル対アトレティコ(Atletico de Madrid)戦の副審を務めることができたのは、特別でかけがえのない経験でした」と話している。(c)AFP