【11月6日 AFP】米中間選挙を目前に控え、当局はフェイク(偽)ニュースを拡散しようとするロシアの動きに警戒するよう市民に呼び掛けている。当局は選挙に関わる機関を混乱させようとする動きは確認されていないとする一方、交流サイト(SNS)最大手のフェイスブック(Facebook)は5日、中間選挙に干渉しようとする「外国の組織」と関連があるとみられるアカウントおよそ115件を閉鎖したと明らかにした。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が勝利した2016年の米大統領選ではロシアがトランプ氏に有利になるような宣伝活動を通じて選挙を操作していたと指摘されているが、当時よりも現在はるかにソーシャルメディアで偽情報が拡散しているとの研究結果も発表されている。

 キルステン・ニールセン(Kirstjen Nielsen)国土安全保障長官、ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官、ダン・コーツ(Dan Coats)国家情報長官、クリストファー・レイ(Christopher Wray)連邦捜査局(FBI)長官は連名で声明を発表し、投票の妨害といった選挙への不正な工作の兆候は今のところないとしながらも、「意見の対立を招くことを意図した行為を通じて、特にロシアのような国が世論や有権者の認識に影響を与えようとしていることを米市民は留意するべき」と注意を呼び掛けた。

 また、ロシア政府が共和党と民主党のどちらに肩入れしているのかについては明言を避けながらも、「政治過程や候補者に関する偽情報の拡散、自らの干渉行為の偽装、ソーシャルメディアでのプロパガンダ活動といった戦術により、このような目的は達成し得る」と指摘した。

 さらに「情報に接し続け、疑わしい行為を通報し、用心深く情報を受け取ることによって米国民はこれらの活動を抑止することができる」と強調した。

 一方、フェイスブックは「4日夜、米捜査当局からオンライン上での活動について連絡があり、当局は外国の組織と関連があるかもしれないとみている」と発表。

 同社は疑わしい活動に関与していた可能性のあるフェイスブックアカウントおよそ30件、さらに同社傘下の写真共有サイト、インスタグラム(Instagram)のアカウント約85件を特定し、「これらのアカウントを直ちに閉鎖し、現在詳細を調査している」という。(c)AFP