【10月11日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は10日、総合格闘技大会「UFC(Ultimate Fighting Championship)」のライト級タイトルマッチで王座防衛に成功したハビブ・ヌルマゴメドフ(Khabib Nurmagomedov、ロシア)と面会し、試合後に乱闘騒ぎを起こしたことについて厳しい処分には値しないという見解を示した。

 イスラム教徒が多く住むロシア南部ダゲスタン共和国(Dagestan)出身のヌルマゴメドフは、今月6日に行われたコナー・マクレガー(Conor McGregor、アイルランド)との試合後、騒動を起こして出場停止処分の可能性に直面しているほか、まだ賞金も受け取っていないが、タイトルについては保持される見通しとなっている。

 こうした問題を起こしたにもかかわらず、30歳のヌルマゴメドフはロシアに凱旋(がいせん)して英雄的な歓迎を受けており、対戦相手のマクレガーについても「ばか野郎」と攻撃した。

 他のロシア人と同様に米ラスベガスでのファイトを「じっくりフォロー」して「感情移入していた」と言うプーチン大統領は、ヌルマゴメドフの行為について軽くたしなめる一方で、ロシア人は外からの攻撃に対して力強く反応するものだと擁護。同選手とその父親と一緒に出演した国営テレビの番組で、「厳しく処罰されないように、君のお父さんに頼んであげよう」「君は勝者にふさわしく、当然の勝利だ」と述べた。

 ヌルマゴメドフは試合後、オクタゴンフェンスを乗り越えてマクレガーのトレーニングパートナーに襲い掛かろうとした。これに観客が敵意をむき出しにしたため、UFCのダナ・ホワイト(Dana White)代表は同選手へのベルト授与を行わなかった。

 自身の行為について後悔する様子を一切見せていないヌルマゴメドフは、プーチン大統領に対して、相手からの「侮辱」と「挑発行為」にやり返しただけだとして、汚名がそそがれることを望んでいると語った。(c)AFP