【10月9日 AFP】元女子テニスの李娜(Na Li、リー・ナ、中国)氏が、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)女王の大坂なおみ(Naomi Osaka)について、その身体能力に匹敵するような強い欲望を見いだすことができれば、これからも快進撃を続けて四大大会(グランドスラム)で複数のタイトルを獲得できるとの見解を示した。

 世界ランキング4位まで上り詰めた20歳の大坂は、先月米ニューヨークで行われた全米オープンで大勝利を飾り、その期待に応えるべく「もっとやれる、もっと向上できる」と自分に言い聞かせて重圧を感じていたことを認めている。また、同大会での優勝は、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が主審に激高する騒動に水を差され、試合後には涙を見せるなど自身にとっては「ほろ苦いもの」になった。

 香港オープン(Prudential Hong Kong Tennis Open 2018)開幕を控え、AFPの取材に応じた李氏は、「あの能力と力強さがあれば、彼女は(グランドスラムのタイトルを)たくさん勝ち取れる。それは、彼女が王者になるという心からの欲望を持つことができればの話」と述べた。

 グランドスラムのシングルスでは李氏に続いてアジア勢で史上2人目の優勝者となった大坂は、背中の故障で香港オープンを欠場した。一方、37歳のセレーナは、歴代1位となる通算24回目のタイトル獲得が失敗に終わった全米オープンの後、シーズンを途中終了することになった。

 しかし、全仏オープンテニス(French Open)と全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament)の元女王で2014年に現役を引退した李氏は、昨年9月の出産を経てツアー復帰を果たしているセレーナを批判するのは賢明ではないと警告した。

「戦列を離れた選手たちに目を向けるとき、コート上における彼女たちの感情的な振る舞いに関して、私たちは十分に理解できていないことがあるかもしれない」「彼女のことは本当に強い選手だと思っている。出産してからすぐに復帰できる選手は非常に少ない」「家庭とテニスコートでのバランスを見つけることは、私にとって本当に難しいこと。だけど、彼女は即座に調子を上げて全米オープンの決勝まで勝ち進んだ」

 中国をはじめとしてアジアでテニス人気に火をつけた功労者とされる李氏だが、アジアにおけるこのスポーツの先は長いとして、「アジアのテニス界は、まだ青年期にとどまっている。私たちは幼少期を過ぎたばかりで、まだ先は長い道のりがある」と述べた。(c)AFP