【10月5日 AFP】女子テニスの大坂なおみ(Naomi Osaka)は箸の使い方は上手とは言えないかもしれないが、集中力を向上させる取り組みが全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の優勝につながったという認識を示している。

 先月の全米オープン決勝でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を撃破し、自身初の四大大会(グランドスラム)優勝を果たした大坂は、4日に行われた中国オープン(China Open 2018)の女子シングルス3回戦で、第10シードのユリア・ゲルゲス(Julia Goerges、ドイツ)に6-1、6-2で快勝し、8強入りを決めた。

 20歳の大坂は、前日の2回戦でもノーシードのダニエル・コリンズ(Danielle Collins、米国)を6-1、6-0で一蹴しており、米ニューヨークで物議を醸したセレーナとの決勝と同じく容赦ない戦いぶりを披露している。

 大坂は5日に行われる準々決勝で、地元の期待を背負う張帥(Shuai Zhang、中国)を迎え撃つことが決定。張は3回戦で、3度の四大大会(グランドスラム)制覇を誇る第3シードのアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)に番狂わせを演じた。

 今大会では選手が箸の技術を競う「チョップスティック・チャレンジ」が行われており、現在のところ張とケルバーがトップに立っている。大坂はスコアで2人に大きく後れを取ったことを指摘されると、「そのことについては、話すつもりはない」、「カモン、張帥。試合に向きあいましょう。だけど、確かに私の箸の持ち方が変なのは認める」と冗談交じりに話した。

 そして真面目な話に移ると、世界ランク6位の大坂は「コート上では『集中』することを考える必要がある。それは、自分にとって当たり前のことじゃないから」、「今年はずっとそのことに取り組んでいて、それがやっと身についてきたというか、少なくとも前よりも持続できるようになっていると思う」と明かした。

 メディアに対してもかなり打ち解けた様子で、ジョークを飛ばしたり気軽におしゃべりしたりしている大坂は、試合についても安定性が増しているとして、「(一年前と比べて)アンフォーストエラーもそれほど多くなくなっている。きょうは何本だったか分からないけれど、昨年はミスが多かったときもあったと思う」と分析した。

 一方、直近の28試合で24勝を記録している大坂と対戦することになった世界45位の張は、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)女王のケルバーとの接戦を制して勝ち上がった。

 29歳の張は第1セットを6-1で先取した後、第2セットはケルバーに2-6で奪取された。しかし、最終セットではギアを上げて6-0で圧倒し、地元ファンを興奮させた。

 30歳のケルバーは試合開始直後に右膝に問題を抱えていたことを明かしたが、そのことを敗戦の言い訳にはせず、「試合開始時点ではベストの調子ではなかったけれど、だんだんプレーは良くなっていった」、「結果として第3セットでは彼女が良いプレーをした。チャンスをつかんで、本当に堅実な試合をしていた」と相手をたたえた。

 その他では、第2シードのキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)と中国の新星として頭角を現している王薔(Qiang Wang、ワン・チャン)が8強入り。王は第7シードのカロリーナ・プリスコバ(Karolina Pliskova、チェコ)を6-4、6-4で破り、最近の好調を維持している。(c)AFP/Peter STEBBINGS