【10月4日 AFP】韓国の康京和(カン・ギョンファ、Kang Kyung-Wha)外相は3日の米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)のインタビューで、米朝間の非核化交渉の行き詰まりを打破するため、米国が朝鮮戦争(Korean War)の終戦宣言に応じる見返りに北朝鮮が主要核施設を廃棄するという案を披露した。米国が北朝鮮に求めている核兵器リスト申告の要求については、プロセスを妨げるリスクがあるとして先送りを提案している。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長は韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領と9月に行った会談で、米国が「相応の措置」を取れば寧辺(ニョンビョン、Yongbyon)の核施設を閉鎖する用意があると表明した。寧辺の施設では高濃縮ウランの生産が可能とされる。

 康氏はインタビューで、北朝鮮側が寧辺の核施設の恒久的な廃棄を示唆したことに言及した上で「朝鮮戦争の終戦宣言といった米国の相応の措置の見返りに北朝鮮が寧辺の施設を閉鎖すれば、非核化に向けた大きな一歩となる」との見解を示した。

 また、北朝鮮の非核化をめぐっては2008年の検証の際には「リストを受け取った後、詳細な手続きを取りまとめている間に取り組みがとん挫した」とし、現時点では北朝鮮に核関連資産のリスト提出を求めるのは非核化プロセスを妨げかねないとの認識を示した。その上で「異なるアプローチをとりたい」とした。

「リストはある時点で見られるようにしなくてはいけないが、双方に十分な信頼を抱かせる行動としかるべき措置を取れば、その時点はずっと早く訪れる」とも語った。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は非核化交渉を進めるため7日に再び訪朝する予定。金委員長と会談するとみられる。(c)AFP