【10月2日 AFP】英中部バーミンガム( Birmingham)で行われている与党・保守党の大会で、香港関連行事を取材していた中国国営テレビの記者が排除され、在英中国大使館が1日、謝罪を要求した。

 問題が起きたのは、9月30日に英保守党の大会内で同党人権委員会が主催した香港関連行事。撮影された映像には、中国中央テレビ(CCTV)の女性記者(48)がやじを飛ばした上、主催者側の一人に平手打ちしたとみられる様子が捉えられていた。

 この女性記者は暴行容疑で地元警察に拘束された後、1晩勾留され、翌日釈放されたが、捜査は引き続き行われるという。

 イベント開催を手伝っていた保守党党員のイノック・リウ(Enoch Lieu)さん(24)はAFPに対し、女性記者が講演者の一人に対し、反中的だとののしる声を上げたため、会場を退出するようイノックさんが促したところ、2回平手打ちされたと語った。

 この一件について、中国大使館はウェブサイトに英語で声明を発表し、女性記者が排除されたことは「全く容認し難い」と反発。「言論の自由を掲げる英国で、中国人記者が大会内行事で単に質問し、自分の意見を主張しただけで、このような妨害を受け、脅しさえ受けたことは不可解だ」と主張した。

 CCTVの国際放送、中国グローバルテレビジョンネットワーク(中国環球電視網、CGTN)も声明で、CCTVのコン・リンリン(Kong Linlin)記者が「質問し、自分の意見を述べた際に妨害され、暴行を受けた」と非難した。また、CCTV広報の談話として、この出来事は「許し難い」と述べて主催者側に謝罪を要求するとともに、英国の警察当局に「女性記者の正当な権利を保護」するよう訴えた。(c)AFP