【9月13日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2018)は12日、第17ステージ(ゲチョからバルコンデビスカヤ、157キロメートル)が行われ、チームEFエデュケーションファースト・ドラパック(Team EF Education First Drapac p/b Cannondale)のマイケル・ウッズ(Michael Woods、カナダ)が、山頂のフィニッシュが霧に包まれたステージで優勝を果たした。

 一方、ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のサイモン・イェーツ(Simon Yates、英国)は総合順位で首位をキープしたものの、雲に包まれた最後の上り坂で2位のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde、スペイン)に差を8秒縮められた。

 また、バルベルデと同じモビスター・チーム(Movistar Team)に所属するナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は終盤の上りで順位を落とし、総合優勝の望みは事実上消滅した。

 イェーツの首位の座は、最後の上りで双子の弟アダム(Adam Yates、英国)や二人のチームメートに最後まで引っ張られたことで守られた。

 難しい挑戦をなんとか切り抜けたイェーツはレース後、「きょうの結果をうれしく思う。登っている間、アダムは私と一緒に走ってくれた。本当に良い仕事をやってくれた。きょうのことをもっとも心配していた。だから無事に終わってくれて幸せに思う」と語った。

 本格的に自動車ロードレースを始めたのは20代半ばになってからという31歳のウッズは、それでも昨年のブエルタでは総合順位で7位に入り、今年の第100回リエージュ~バストーニュ~リエージュ(100th Liege-Bastogne-Liege)では2位に入った。

 感極まったウッズは涙し、この勝利を先日死産した息子にささげた。

 ウッズは涙を流しながら「道路脇には私を奮い立たせてくれる人がたくさんいて、監督からも家族のためにレースに臨むよう励まされた」と話した。

「妻と私は先日息子を亡くした。ハンターという名前で、この勝利を彼にささげる」

 ウッズはレース序盤から逃げ集団に入り込むと、急激な勾配の最終セクションでBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のディラン・トゥーンス(Dylan Teuns、ベルギー)を押しのけ、チームスカイ(Team Sky)のダビド・デ・ラ・クルス(David de la Cruz、スペイン)を3位に抑えた。

 この日最も大きくタイムを失ったのはキンタナで、首位イェーツとの差は2分11秒に開いた。

 第17ステージを終え総合2位につけたのは38歳のバルベルデで、イェーツとのタイム差は25秒。クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のエンリク・マス(Enric Mas、スペイン)が、イェーツから1分22秒遅れで3位につけている。(c)AFP