【8月23日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は22日、2016年の大統領選挙前に自身との不倫関係を主張する女性らに個人弁護士が口止め料を支払ったことは、選挙資金規制法への違反には当たらないと主張した。

 トランプ大統領の元個人弁護士で、かつて大統領と近い関係にあったマイケル・コーエン(Michael Cohen)氏は21日、連邦裁判所で、トランプ氏との不倫関係を主張する女性らに口止め料を支払うことにより、詐欺行為6件と選挙資金法違反2件の罪を犯したことを認めた。

 コーエン氏は法廷で、ポルノ女優のストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さん、米男性誌「プレイボーイ(Playboy)」元モデルのカレン・マクドゥーガル(Karen McDougal)さんとみられる2人との金銭授受の詳細を明らかにし、自身の行為はトランプ大統領の指示によるものだと証言。トランプ大統領にとって手痛い打撃となった。

 だが大統領はニュース番組「フォックス・アンド・フレンズ(Fox and Friends)」とのインタビューで、口止め料の支払いは「選挙違反でさえない」と主張。支払いは「選挙運動から出たものではなく、私から出たものだ。ツイッター(Twitter)にも書いた」と述べた。

 トランプ大統領は22日早朝のツイッター投稿で、コーエン氏の司法取引に初めて反応を示し、同氏は司法取引のために「物語」をでっち上げたと非難。「有能な弁護士を探している人がいたら、マイケル・コーエンを雇わないことを強く勧める!」と切り捨てた。

 さらにトランプ大統領はツイートで、2008年の大統領選挙後、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の選挙陣営による報告規定違反が37万5000ドル(約4100万円)の罰金で決着したことを引き合いに出し、コーエン氏による選挙規定違反は「犯罪ではない」と主張した。

 一方、コーエン氏の弁護士、ラニー・デービス(Lanny Davis)氏は22日、CBSニュース(CBS News)に対し、トランプ大統領は「罪を犯した」と述べ、「もし大統領でなければ、明らかに、その犯罪によって起訴され、収監されることになる」と語っている。(c)AFP